中国の2021年の流行語
2021年の新語・流行語を紹介します。単純にちまたで流行ったものだけでなく、政治的に重要な言葉なども含まれています。
巷、ネット編:
元宇宙(yuán yǔ zhòu)
Facebookの新社名、メタバース
野性消费(yě xìng xiāo fèi)
理性に囚われず自然で自発的な消費
(河南省の洪水被害の際、忘れられた老舗のメーカーが大金を寄付した。それを聞いた人々が感動してそのメーカーの商品をこぞって購入した。社長が落ち着いて購買「理性消费lǐxìngxiāofèi」してくださいと訴えた際、ネット民がいや「野性消费」しているんだと答えたといういい話。)
破防(pò fáng)
もともとゲームで相手の防御を突破すること。転じて心の防御線を突破された→ショックを受ける、心が揺さぶられることを表す。
饭圈(fàn quān)
ファンのグループ
(もともとファンは「粉丝fěnsī」という。熱狂的なファン活動の厳格化や競争が激化したことが問題になった)
yyds
神ってる、すごい
(「永远的神(yǒng yuǎn de shén)」 の、ピンインの頭文字をとったもの。ネットで流行った)
绝绝子(jué jué zǐ)
めちゃくちゃ良い
教育編:
鸡娃(jī wá)
詰め込み教育
(鶏の血を注射される子供、という怖そうな訳ですが、もともと「打鸡血dǎjīxiě(鶏の鮮血を注射する)」という昔の民間療法があり、ニンニク注射のようなカンフル剤の意味があった。親が子供に無理やり頑張らせることを揶揄した言葉。)
内卷(nèi juǎn)
理不尽な内部競争
(主に大学で教授に対する印象をよくし成績をあげるために余計に頑張ること。「巻」は答案や書物を表す)
躺平(tǎng píng)
低意欲の若者たち
(もともと横たわるの意味。特に北京で物価が高すぎて良い環境が手に届かないため、向上心が低くなり、最低限の生活レベルを維持できればいいと諦めている若者たち)
双减(shuāng jiǎn)
宿題と学習塾の二つを減らす政策
(「鸡娃」により「内卷」が激化し、そこから脱落し、競争を放棄した「躺平」族が増えたことを問題視した政府が「双减」政策を打ち出したが、保護者も学習塾関係者も困惑、混乱している)
政治編:
百年未有之大变局(bǎi nián wèi yǒu zhī dà biàn jú)
この100年に起こらなかった大きな変局
(世界の国際構造やシステムが大変な変革を遂げており、国際力や多様化に団結して対応していこうというような党の演説の言葉)
小康(xiǎo kāng)
そこそこ裕福な生活レベル
(中国人全員が貧困から脱却し、苦労しない生活レベルにあるという中国の昔からの夢が実現したと演説されたが、はたして本当だろうか、という意味も込めて流行したのでは。)
赶考(gǎn kǎo)
常に試される(試験を急かされる)
(100年前の毛沢東の演説の中の言葉、過去100年で、党は人民や歴史に対し優れた答案を提出した。今、次の100年に向け、常に奮闘しよう、と今年の党演説で引用された)
碳达峰,碳中和(tàn dá fēng,tàn zhōng hé)
二酸化炭素の排出のピークと中和
(2030年までにピークを終わらせ、2060年までに実質ゼロを目指すという中国の「双碳」目標。)