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コラム

「三伏」ってなに?–中国の暑さとの付き合い方

夏になると中国では「三伏(sān fú)」という特別な期間が話題になります。これは、一年で最も蒸し暑い時期のことを指し、昔から体調管理や生活習慣に深く関わってきました。今回は「三伏」について、日本との違いや、期間中に避けたいこと、中国語表現も交えてご紹介します。

 

■ 三伏とは?

 

三伏(sān fú)」は、二十四節気と陰陽五行、干支に基づいて定められる、一年で最も暑い時期のことです。

初伏(chū fú)」「中伏(zhōng fú)」「末伏(mò fú)」の3つに分かれ、合計で約30~40日間続きます。

 

この時期は湿度が高く、気温も非常に上がるため、古くから中国では「三伏天(sān fú tiān)」と呼ばれ、体調管理や食事に特に気をつけるよう言い伝えられています。

 

■ 日本と中国では期間が違う?

 

日本でも「土用の丑の日」など、夏の暑さを意識する風習がありますが、「三伏」という概念はあまり馴染みがないかもしれません。具体的には夏至の後の3回目の庚の日から立秋の後の2回目の庚の前日までですが、別の数え方も存在します。

 

ちなみに、2025年の中国の三伏期間は次の通りです:

  • 初伏:7月20日~7月29日
  • 中伏:7月30日~8月9日
  • 末伏:8月10日~8月18日

 

毎年旧暦をもとに日付が変わるため、正確な期間はその年ごとに異なります。

 

 

■ 三伏の時期に避けたほうがよいこと

 

中医学(中国の伝統医学)では、三伏の時期には「陽気(阳气 yáng qì)」が最も盛んになるため、次のような行動は避けるべきとされています。

  • 冷たいものの摂りすぎ(吃太多冷饮chī tài duō lěng yǐn

→ 胃腸の働きを弱め、体調を崩しやすくなります。

  • 長時間の冷房(长时间吹空调cháng shí jiān chuī kōng tiáo

→ 体表から寒気が入り、頭痛や肩こりの原因に。

  • 激しい運動(剧烈运动 jù liè yùn dòng

→ 暑さで体力が消耗しやすいため、軽めの運動が推奨されます。

  • 夜更かし(熬夜 áo yè

→ 「陰陽のバランス」が乱れ、夏バテしやすくなると言われています。

 

代わりに、温かい飲み物を取ったり、昼寝(午睡wǔ shuì)を取り入れたりして、無理せず「陽気」とうまく付き合うのが大切です。

 

■ 三伏の時期に食べたほうがよいもの

绿豆、瓜果类(冬瓜、苦瓜、黄瓜、西瓜等)、山药(やまいも)、莲藕(れんこん)、鸭肉、发酵食品。

「头伏饺子二伏面,三伏烙饼摊鸡蛋」
という昔からの言い方があり、初伏に餃子を食べるのは食欲増進と福を招く意味があり、二伏にタンメンを食べて発汗による暑気払いと心火を鎮め、三伏に卵入りクレープで体力消耗後の栄養補給を目的とし、気候転換期の健康維持に対応します。

日本でもうなぎや瓜など「う」の付くものを食べると良いと言われていますし、とろろも夏に食べます。共通の食文化があって興味深いですね。

 

■ 三伏に関する中国語

 

三伏天(sān fú tiān)(一年で最も暑い時期)

初伏(chū fú)(三伏の最初の10日間)

中伏(zhōng fú)(真ん中の期間(10~20日間))

末伏(mò fú)(最後の10日間)

伏天养生(fú tiān yǎng shēng)(三伏時期の養生(健康管理))

三伏贴(sān fú tiē)(薬草の湿布を体に貼る民間療法)

冬病夏治(dōng bìng xià zhì)(冬に悪化する病気を夏に治す(中医学の考え方))

 

 

 

 

■ 最後に

 

中国語を学ぶうえで、言葉だけでなく、その背景にある文化や生活習慣も知ることはとても大切です。三伏の時期をどう過ごすかは、健康や暮らし方に直結しています。中国では今も昔も、人々は「自然のリズム」とうまく付き合いながら生きているのですね。

 

ぜひ、中国語の表現とともに、この「三伏文化」にも注目してみてください。

 

 

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