「さいとう」さんの中国語読み問題
日本人のポピュラーな名字のひとつ、「さいとう」さん。
皆さんもご存じのとおり、この名字、漢字の書き方が一つではありません。
「斎藤」「斉藤」「齊藤」「齋藤」
などなど。
見た目は違いますが、中国語では通常、これらを区別しません。中国語ではまとめて、
斋藤(Zhāi téng)
と表記・発音されるのが一般的です。同じように、渡辺さんや高橋さんも
渡辺/渡邊/渡邉 → 渡边(D ù biān)
高橋 /髙橋→ 高桥(Gāo qiáo)
と、異体字は中国語では統一されます。
でも実は、「斎/齋」と「斉/齊」は別の漢字
ここが今回のポイントです。
① 斎・齋 の字源
「齋(斎)」は、神事の前に心身を清め、慎み深く過ごすことを表す漢字です。
例:
「齋戒(さいかい)」→斋戒 (zhāi jiè)
「斎月(さいげつ)」→斋月 (zhāi yuè)
など、宗教的・儀礼的な意味を持っています。
中国語では
繁体字:齋
簡体字:斋
拼音:zhāi
このため、
斎藤・齋藤 → Zhāi téng
と読むのが、字源的には最も自然だと言えます。
② 斉・齊 の字源
一方の「齊(斉)」は、そろう・整う・同じにするという意味の漢字です。
例:
「一斉(いっせい)」→一齐 (yì qí)
「整斉(せいせい)」→整齐 (zhěng qí)
など、秩序や統一を表します。
中国語では
繁体字:齊
簡体字:齐
拼音:qí
そのため、文字の意味だけを見れば、
斉藤・齊藤 → Qí téng
と読むのが正確、ということになります。
それでも「Zhāi téng」が一般的な理由:
では、なぜ実際には「Zhāi téng」が広く使われているのでしょうか。
中国語の辞書や名簿を見ると、日本人の「さいとう」さんは、ほぼ一律で「斋藤(Zhāi téng)」 と表記されています。
理由はいくつかあります。
★歴史的に本流は「斎(齋)」だった
「斎藤」は藤原氏の一族・官職名に由来し、本来は「齋藤」が正式表記とされてきました。
★中国語は字義を重視する
人名でも「この漢字が持つ意味」を大切にするため、宗教的・格式のある「斋(齋)」が選ばれやすい。
★実務上、異体字の区別が省略されてきた
戸籍・データ処理・出版などの影響で、細かな字形差が整理されてきた背景があります。
★「Qí téng」は中国人名に聞こえる
「齐(qí)」は中国に実在する姓のため、中国人の名前のように受け取られやすく、日本人の「齊藤さん」と結びつきにくい。
★すでに慣用読みとして定着している
中国では「日本人の名字」として Zhāi téng という読み方が広く共有されています。
でも、もし「斉藤/齊藤」さんご本人にこだわりがあるなら、
Qí téng
と名乗っても、もちろん問題ありません。
中国語では、
「漢字としての理屈」よりも、相手に自然に伝わるかどうかが重視される場面が多いのです。
中国語の「なるほど」は、体験すると増えていく
こうした
・字の成り立ち
・中国人の感覚
・実際の使われ方
は、独学だとモヤっとしやすいポイントでもあります。
サンチャイナのレッスンでは、今回のような中国語の感覚・文化背景・自然な言い回し を、会話の中でわかりやすくお伝えしています。
・独学でつまずいている
・「通じる中国語」を身につけたい
・理屈と実用のズレを整理したい
そんな方は、ぜひ一度体験レッスンにお越しください。
▶ 体験レッスンのお申し込みは、こちらから
初心者の方、学び直しの方も大歓迎です!

